【杜仙・食べ歩き班_No.186】ワンタン麺の名店(蒲町)
Posted on : 2020.05.22

こんにちは!こちら杜仙・食べ歩き班です。
※本投稿は、2019年秋の食べ歩き記録です。
今回ご紹介するのは若林区蒲町の老舗・中華そば店「八千代軒(やちよけん) 蒲町店」さんです。

2019年10月14日(月)祝日の12時前頃、約3年半ぶりに訪店しました。

仙台でワンタン麺といえば、<八千代軒>さん<富士屋>さん<徐州楼>さんの3軒が有名です。その一角である<八千代軒>さんは、なんと、大正12年創業の老舗です!
今年で97歳!!!!後3年で100歳のお店さんです!!! すごいですよねぇ~。

住所は仙台市若林区蒲町31-10
国道4号バイパス・蒲町交差点から荒井方面に曲がるとすぐに左手に<ファミマ>さんが見えてきます。その隣です。

以前は今の立地から歩いて2分くらいのご近所・バイパス4号線沿い(住所でいうと、かすみ町)にあったのですが、2008年に今の立地に移転しました。(実のところ、僕は初訪は2010年頃ですので移転後です。なので移転前については全く存じ上げておりませんm(__)m)

昼時はいつも行列ができる大人気店です!
<八千代軒>さん行列を成す方々の目的・お目当ては主に・・・・
「昔ながらの優しい中華そば」
「自家製手もみ卵ちぢれ麺」
「チュルチュルなワンタン」
「家庭的なんだけど、結構パラパラな炒飯」
「なかなか通好みの餡かけもやしそば」
「懐かしい記憶・大昔からの習慣(常連客)」
「口コミでの人気に惹きつけられて(一見客)」
・・・・・・などが目当てで行列をなします。

↑このようにいつも「駐車場が満車」なのも特徴。(駐車場の空きを待つ、路上停車する車をよく見受けます)
尚、駐車場は、敷地内は8台ですが、敷地外(店舗から1軒挟み東の土地)に、たしか6台ほど止めれる第2駐車場があります。

店名が「蒲町店店」となっていますよね。理由は、以前、「長町店」と「若林店」があったからだそうです。ちなみに「本店がどこか?」は存じ上げておりませんm(__)m(なんでも・・・(僕がまだ物心つかない)40年くらい前に若林店が廃業し、そして、2013年かな?長町店が廃業しました。長町店は数回行ったことがあります。とても”昭和レトロな店舗”でなかなか”味のある”お店さんでした。閉業はとても残念でした。ちなみに、今回ご紹介する蒲町店とは、かなり異なる味付けでした)

こちらは、特段「ウェイティングボード」とかは存在しません。
なので、「店内が満席の場合は、潔く外で待つ!」というスタイルで並びます。(まぁ、大抵の時間帯は”外待ち”ができていますのでそこに接続すればOKです)
そして、開店時間がなぜか?「10時50分」です。

↓この日は11時45分頃に到着し、外待ちが8名+中待ちが5名くらい。

その後ろに接続。
回転はいつも遅めです(勝手な想像ですが、回転が遅いのは「メニューにチャーハンがある」「比較的、家族連れが多い」の2点が理由かな?と思います。お年寄りやお子様連れも多いですし。わりと”ゆったり”した雰囲気ですね。)
カウンター席に案内されたのは、12時10分頃。

店内は「綺麗な食堂」といった感じです。

いつも掃除・片付けもいきとどいており、とても清潔な印象です。
カウンター×10席、座敷(6名)、テーブル3卓。

<八千代軒>さんは家族経営です。

ご年配の親方+おばちゃん(奥様かな??)+中年の息子さん二人・・・・の、4名体制です。
皆様、なかなか個性的で”味がある”接客スタイルです(笑)。
親方は調理場中央で仁王立ちでスープ作りと麺茹で担当。(結構、”強面”かも)
そして息子さんの一人がチャーハン作りがメイン。
もう片方の息子さんが「トーンがとても特徴的(声高)」が人気でとても親切、接客が神!
奥様も親切な接客で黙々働かれています(4名様で絶妙のコンビネーションです)

↓メニューはいたってシンプルです。

↑簡単にご説明すると
■一番の名物はワンタンメン:
あっさり優しいスープ+自家製手もみ卵ちぢれ麺。ちゅるん♪とした絶品ワンタン。
■伏兵が、肉もやしラーメン:
優しい醤油スープと優しい塩系餡のコラボレーション。具だくさんの野菜。
■パラパラの炒飯:
大中小サイズがある。よく「大」や「中」を注文し
家族でシェアする光景もお馴染み。

僕はいつもと同じ「ワンタンメン」と「チャーハン小」をオーダー。

チャーハンは、大量製造することが頻繁にあるので、提供されるタイミングは結構「運試し」と言えます。(と言うのも、”出来立て熱々”だと素晴らしいのですが、運悪い時は”結構時間経過”したチャーハンが配膳されことがあるので)
(それと、「チャーハン小」は、正直”相場”と比較するとやや高めかなぁ? あくまで”私見”ですが¥400円が適正価格かと思いますm(__)m)
※そんなわけで、「チャーハン小」だけ「やや高め」ですが、
その他のメニューは全て適正価格かな?なんて感じています。

この日も結構待ちました。
オーダーから約10分、
12時20分に着膳!!

 

◆ワンタンメン ¥780円 + チャーハン小 ¥550円

相変わらずの美しいビジュアルです♪ これ写真見ると、だれでも食べたくなると思います!

綺麗な醤油スープに皮の薄いワンタン、メンマ、刻み葱、チャーシュー、ナルト。
どこか懐かしい雰囲気ですよね。

↓自家製の、細ウェーブの手もみ卵麺。

いいかんじで縮れていて、コシもあります。すべりもよい感じ。スープとの絡みがよく、スープを拾い上げるような感触です。そして小麦の旨も感じ取れます。
※ちなみに、<八千代軒>さんも、<富士屋>さん同様、麺の固さは選ぶことは出来ません。親方こだわりの固さで茹でられているからだと思います。

↓スープは、ベースが鶏ガラです。

そのスープに、あっさり醤油が加わり、野菜の旨みと甘みがにじみ出ています。
それと煮干しかな?魚介も感じます。
印象としては「薄めの優しい味」です。でも、旨味はきちんと感じ取れるスープですよ。
かなり優しいテイストなので、評価は分かれるようですね。
たしかに、「今風の味の濃いラーメン屋さん」や「コッテリしたラーメン」なんかと比較すると対極に位置するスープなので、若い方からすると、物足りないかもしれませんね。
実際、僕も昔はいまいちパンチにかけるかな?なんて思ってました。
それが・・・年を取るとどんどん、「奥深い味わい」に気が付いてきました。カドの立たない優しいスープ。

チャーシューは、脂の少ない「もっさり」とした煮豚です。
”いわゆるラーメンのチャーシュー”というそれです。
「昔ながら」系で、このチャーシューは今でもたまに見かけます。
そしてこのラーメンにも合っていると思います。僕も嫌いじゃないです♪

↓そして主役のワンタン!

たぶん、6~7個入っていると思います。
<富士屋>さんとも<徐州楼>さんのワンタンとも違います。
こちらのは、「皮が薄め」「フワフワ」「ちゅるん」としている。(早く食べないと破けたりふやけたりする恐れのあるデリケートなタイプ)
ワンタンの薄い皮の中には、控え目な味付けの餡が入っています。シンプルな豚肉の餡です。

このワンタンだけを食べたいファンも多く、麺なしの「ワンタン」というメニューもあります。

↓そして、チャーハン小。

(先述のとおりちょい値段が高めかなぁ?それでも注文しちゃうんだよねぇ・・・。)
この日は「出来立て」から数分経っていたものが配膳されましたが、冷めていなかったので
許容範囲です。
具は「玉子+玉ねぎ+チャーシュー」。スパイスが強めに利いていて、仕上がりはパラパラ系。米がきちんと油コーティングそれでいててシットリした感じもあります。
チャーシューの触感もよいです。うん、ウマいです!
一番面白いのは「玉ねぎ」かなぁ?たまに玉ねぎ入るチャーハンありますが、珍しいほうですね。(閉店した<山雅>さんを少し思い出します。)
ファンが多いのはなんとなく頷けます。(自分的にも、決してドストライクではありませんが)そこそこ好きです♪

麺とワンタンとスープをまんべんなく味わいます。

最近流行りのラーメンとはまた異なった、奥ゆかしい美味しさがあります。

↓ブラックペッパーで味変!!

(そういえば、<徐州楼>さんと<富士屋>さんはホワイトペッパーがあるのですがこちらはブラックペッパーしかないんだなぁ。でも不思議とこちらの中華ソバに関してはブラックペッパーが合うような気がする)

御馳走さまでした。
久々の八千代軒、とても美味しかったです!
なんだか、年をとればとるほど、こちらの良さがわかってきたような感じです。
次回は久々に、肉もやしを食べようかな。

 

【追記】
◆仙台のワンタン麺事情:
冒頭に記載したとおり、昔から仙台ではワンタン麺といえば<徐州楼>さん<富士屋>さん<八千代軒>さんの3軒が、があまりにもポピュラー。
※<富士家>さんについては以前「投稿No126.<https://morisen.net/?p=5712>」にて詳しくご紹介しております。
※<徐州楼>さんについては以前「投稿No181.<https://morisen.net/?p=7785>」にて詳しくご紹介しております。
共通点としては、3軒とも「あっさり系」です。3軒とも「あっさりとしたノスタルジックな中華そば」がベース。
ただし、3軒とも全く、テイストも見た目も異なります。だから食べ比べするのも楽しいんだよねぇ♪
3軒とも、シルバー世代の方々から根強い人気があるのも特徴。
「今風の中華そば」もそれはそれでおいしいですけど、やっぱり「飽きずに長年おいしく食べれる中華そば」は、この3軒みたいなシンプルで優しいな中華そばだなって(私自身)年をとればとるほど実感しています(笑)。この3軒が提供しているワンタン麺は、そんなノスタルジックな中華そば(=なにやら巷では「ノスラー」とか呼ぶらしい(笑))をベースにした優しいワンタン麺です。

◆<八千代軒>さんは、前々から老舗という認識はあったのですが今回きちんと情報収集してみたら、冒頭に記載したとおり、なんと大正12年創業と判明!(勝手な想像だと、昭和中期ぐらいの開業なのかな?と思っていたのですが全然見当違いでしたm(__)m)
そっか・・・・連坊<志のぶ本店>さんと白石<中華店(本店)>さんと同い年のお店さんが他にもまだったのですね!
※<志のぶ本店」>さんについては、以前「投稿No156.<https://morisen.net/?p=6949>」にて詳しくご紹介しております
※僕が一番好きな中華そば・<中華店(本店)>さんについては、以前「投稿No88.<https://morisen.net/?p=4447>」にて詳しくご紹介しております。
ちなみに<徐州楼>さんが仙台最古のラーメン専門店で大正11年創業。